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│2F│東棟・教室│1-C│
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入学式が終わった後、正面玄関に貼り出されてあった振り分け表に書いてあった通りに俺は教室に入った…。
俺は5番か。
他の生徒達も各自座ってる…筈無いよな。
皆各々の行動をしている…。
俺はと言うと…律儀に指定された席に座っている。
だってさ!周りに知ってる人がいない時ってさ!どうしても借りて来た猫になるじゃん!!
「なぁ…そこの5番。」
不意に後ろから声をかけられた。
振り向くと、いかにも好青年臭い男が席に座っていた。
「…なんですか?」
「敬語止めろよ、これから一緒に過ごして行くクラスメイトだ。」
「わかった。なんだ?」
「いや、お前も過去に何かあってここに来たんだろ?仲良くなろうぜ。」
正直裏があるとしか思えない。
それに、“お前も”って事はコイツは何かしら過去にやらかしたんだろう。
「…何で、俺なんだ?」
「何でもなにも、周りを見てみろ。」
コイツに促される様に周りを見る。
黒い分厚い本をブツブツ言いながら読む女。
左腕を押さえながら周りをキョロキョロしてる男。
黒板に魔方陣を描きながら泣いている女。
RPG(ロケットランチャー)を磨きながら悪人笑いをしてる男。
あ~…なんとなくわかった気がする。
「つまり…俺が他の奴より普通そうだったから…だろ?」
「御名答。」
コイツはニッと笑い、手を俺の前に出して来た。
「俺の名はアキラ。お前は?」
「俺はユウキ。」
俺は差し出された手を握った。
「よろしくな。」
「こちらこそ。」
「お前らホモなのか?」
「「ウオゥ!!」」
俺達が座っている席と席の間にひょっこり顔を出している女性が1人、
朝にぶつかった女の子だった。
「断じて違う!!」
アキラが声を上げて反論した。
うん、アキラの言う通りだ。
「お前は違ってもこっちがそうかも知れんぞ?」
そう言って俺の方を指差した。
「そう…なのか?」
「断じて違ぁ〰う!!」
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