翠-Sui-

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「………?」 竹蔵も翠の視線を探ってみる。 何もみえない。 そこで翠が大きくため息をつく。 「アンノ馬鹿……。」 あから様な侮蔑を込めた表情に一瞬怯みそうになる。 しかし、先程まで何もみえなかったが、どうやら人が近いてきたらしい。 竹蔵は目が悪くメガネをかけてはいたが、メガネは性能も良く、不便な事はなかった。 遥か離れた竹蔵の見えなかった位置からこの翠は気づいたという事か?? と、したら注意力もそうだが、視力も凄まじいという事がこれで証明されてしまった。 やはりアマゾンに化けモノじみた少女がいるという話しは本当なのか……?? 考えは強制的に終了した。 何故なら先程までの人影がいつの間にかに竹蔵の目の前に立っていたのだ。 ここは「死の森」。 ここで現れるものはタダ者ではないと思ったが、案の定これだ。 そして先程までの人影は男だった。
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