第二章 ニアン学園とガイアの友人たち

3/29
88567人が本棚に入れています
本棚に追加
/1600ページ
   あとは、魔力をどうするかである。魔封具で抑えたものの、未だに体から溢れ出る魔力はAAAランク下位並のもの。  これでは、魔力に敏感な者や強者に本来の実力の一端を感じとらせてしまう可能性がある。サキカは目を閉じると、身体から溢れ出る魔力や、身体中を循環している魔力を操り、無理矢理抑え付けた。これでサキカから感じられる魔力は、一般的な学生より少し低いぐらいのものとなったはずだ。  ステラによれば、制服や教科書は学園で渡されるとのことであったため、サキカは動き易い私服に着替え、部屋を出て鍵を閉めた。  向かう先は“紅蓮の破壊者”の部屋──つまりはガイアの部屋である。ドアをノックすると、準備を整え、制服を着た紅髪の少年──ガイアが出て来た。 「おはよう、ガイア」 「おはよ。さて、行くか」  学園に向けて歩きだした二人。  何故転移で行かないかといえば、普通の高等部一年生は転移魔法を使えないからである。転移魔法は高等部三年生で習い、たとえ習ったとしても、優秀な極一部の生徒しか修得出来ない。サキカとガイアは十六歳、高等部一年生である。転移魔法を使用すれば目立ってしまうだろう。 .
/1600ページ

最初のコメントを投稿しよう!