第二章 ニアン学園とガイアの友人たち

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   ──しかし、それは全く学園といえる外見をしていなかった。例えるならば有名貴族持ちの巨大な城、もしくは王家の紋章の刻まれた城である。  白を基調とした色合いが、上品さを醸し出している。門も大きく、高さ五メートルはあるだろう。城──もとい学園の周りは高い煉瓦の塀で囲まれており、それが威圧感を醸し出していた。  ──およそ学園とは思えない外観。まさしくそびえ立つという言葉が似合うような、そうこれは、堂々とした白亜の城。  それは学園と聞いて思い浮かべる姿からかけ離れており、本当に学園なのかと疑いたくなるほどだ。何処の王族が建てたのだと問い質したくなるような、豪華絢爛でありながらも華美すぎない趣味の良い外装である。  一体誰がこんな『城』を『学園』としたのだろうか。しかし、深く考えたところで、サキカには理解できそうにない。  サキカは考えるのを放棄して、ガイアの後について学園長室に向かった。  学園の廊下は広かった。白い壁に絵画が飾られており、床は大理石と思われる石が敷かれている。  内装もどこぞの王城かと錯覚させるようなものであるが、そこを行き来するのは騎士や使用人などではなく、サキカと同じ年頃の少年や少女で、それ以外は時折初等部の小さな子供や教師らしき大人だけだ。 .
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