休日、俺はあいつと二人で……

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「ああ」 「両親は?」 「……。あんたに教える必要はない」 「……バラすぞ?」 「遠くに住んでるんだ」 この……悪魔めっ! 「遠くに住んでる?」 「ああ。俺は両親から嫌われててな、中学を卒業した瞬間に、家から追い出される予定だったんだ。夜中、トイレに行く途中、そう聞いた。だから、俺は地元を離れ、ここの櫻田高校を受験し、合格した。元々、そんなにレベルが高い所じゃないしな。住むとこも、ここの大家さんが提供してくれたし。まぁ、つまり俺は、親に追い出される前に家を出たんだよ。世間では追い出されたって思われてるけど」 言い終わり、俺は台所に行って自分の分のお茶をコップに入れ、飲んだ。 「……ま、こんな能力が備わってたら、誰だってそう思うよな」 自分の手を見て、少し念じると手には小さい水玉が出現し、プワプワと浮かんでいた。 それを消し、俺は高品の方を向いた。 「あんたはこんな能力を持つ俺を見て、気持ち悪いとか言わないんだな。それどころか、下僕にするとは……、変わった奴だな」 「よく言われる」 俺の言葉に、高品は苦笑した。 「あたしは、冬真君のことを気持ち悪いなんて、思ってないよ。最初はアレを見た時、ビックリしたけどね。それに……身近にあたしと同じ人がいるって知ったら、安心した」 「同じ人?」 「あ、いや、その……! な、何でもない! 何でもないよ~?」 「ふぅん。ま、いいけど」 俺は何気なく、近くにあった目覚まし時計を見た。 高品と話しているうちに、30分ぐらい経ったようだ。そろそろ朝食を作るか。 「高品」 「ん? なぁに?」 「あんたも朝食、食べるか? 作るぞ?」 聞くと、高品は驚いたような顔をした。 「えっ!? 冬真君、料理出来るの!?」 「出来なきゃ、一人暮らしなんぞ出来てねぇよ。食べてくか? と言うか、食べるよな?」 「い、いや! 悪いよ! あたしが作る!」 「あんた、料理出来るのか!?」 素行不良なのに……。人は見かけに寄らないというやつか。 「まぁね。昔は大変だったけど、今は高級ホテルで働くシェフと肩を並べられるほどの実力だよっ!」 「すげぇ! あんた、ただの不良じゃなかったんだな! 成績優秀って時点で、ただの不良じゃないとは思っていたが、まさかそれほどとは……! お見それいたしましたぁ!」 バッ! と素早く、俺は高品を敬うように土下座した。
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