休日、俺はあいつと二人で……

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4月26日 ゴールデンウィークが迫る今日、この日、俺の通う櫻田高校は土曜日で休みだった。 俺は普段、5時に目覚ましをセットしているが、今日はセットしてなかった。 ぐっすりスヤスヤと、早起きしなくてもいい俺は、暖かい布団の中で、安らかに、幸せそうに眠っていた。 ……が、 「起きろぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!!」 「うおおおっ!?」 突然の誰かの大声に、俺はびっくりして飛び起きてしまった。 「何だっ!? 地震か!? 火事か!?」 素早く周りを見回すが、火事も地震も起こっていなかった。 「おはよっ、冬真君!」 正面から聞こえた少女の声。 俺はその声の方を向き、更に驚いた。 「うおぉっ!? な、何でここにいるんだよ!」 そこにいたのは、赤毛のショートヘアーの女子。 高品楓。それが彼女の名前だ。 あの時は、深く考えていなかったが、こいつ、結構、小柄だな。152センチくらいの身長か? ……まぁ、それはいいとして。 「何でって……、暇だったから?」 「……俺、お前に俺が住んでる場所、教えたか?」 そう聞きながら、俺は近くにあった目覚まし時計を取り、時刻を見てみる。 時刻は6時ちょっきし。……正直、迷惑極まりない。 「ううん? 教えてもらってないよ。教えてもらったのは、携帯番号とアドレスだけ」 高品は俺の問いに、首を横に振った。 「じゃあ、どこで俺の家を?」 「先生の目を盗んで、生徒の個人情報を見た」 全く悪びれず、高品は平然と言う。さすがは素行不良の不良さんと言った所か。 「……あのなぁ」 しかし、いくら不良だからと言って、注意しない俺じゃない。
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