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その時ちょうど電話がなった。
…ゆかりだ。
「…もしもし。」
『もしも~し、薫、今大丈夫?』
「大丈夫だよ、…何?」
『…何かあった?』
「な、なんで?」
『元気ないから。』
「別に…、普通だよ?」
『嘘!薫が私に嘘つくなんて100年早いんだからね!』
「100年って…。」
『いいから!お姉さんに全部話しなさい!』
「ふっ、お姉さんて。
…あのね、晋一、彼女できたんだって。」
『え…?』
「しかも相手が、月島さんだよ?驚くよね!」
『薫…。』
「さらに驚くことに、私さ、…晋一のことが好きだったみたい!
このタイミングでかよ!みたいな?
…笑っちゃうよね?」
『…薫、無理しなくていいよ。』
私は、そのゆかりの一言で、涙腺が一気に緩んだ。
「ゆ、ゆかり~!」
『よしよし、思いっきり泣きな!』
私はその時、友達って暖かくていいな、と思った。
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