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園芸部部室。
さなえは園芸部部員が入れてくれた自家製のハーブティーを飲みながら、車椅子の少女・一美から、園芸部マネージャー業務の引継ぎを受けている。
「ところで斎藤先輩」
さなえの問いかけに、一美は
「ん?」
と答える。
「そもそもなんで園芸部なんかに・・・・・・あ、失礼、文化系の園芸部にマネージャーが必要なんでしょう?」
さなえの、あきらかに不躾な質問に、一美は笑みを崩すことなく、静かに説明をはじめた。
「ウチの園芸部は、なんと言っても使用する土地が広大でしょう・・・・・・それに、もともと学校から借りている土地だから、いろんな事務手続きが発生するわ。そんな事務的な管理や手続きを“女子マネージャー”が代行することで、部員達は安心して作物の世話に精が出せる、ってわけよ」
そう語る一美の顔は、さなえから見ても明らかに“女子マネージャー”としての誇りに満ち溢れていた。
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