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――その時だった。
「園芸部の椎名部長ぉーっ! いませんかぁーっ!」
癇に障る甲高い声とともに、ドアが激しくノックされる。
「なんなんですか、アレ!?」
さなえが驚いて声を上げると、千恵は一瞬、眉間にしわを寄せ、つかつかと入り口へ向かい、静かにドアを開く。
開かれたドアの向こうにいたのは――
「突然の訪問失礼いたします。生徒会執行部の、椎名 千穂です」
――白い制服がトレードマークの“生徒会ロワイヤル”の一人、セクシー派のCこと椎名 千穂の姿がそこにはあった。
「本当に失礼極まりないですね。生徒会執行部ともあろうお人が、そんな借金取りみたいなノックの仕方をするなんて」
千恵はC――千穂に冷たい視線を向け、さらにこう言い放つ。
「で、その生徒会執行部サマが、今日は何の用かしら?」
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