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被験者はブレスを操作する。
三桁の数字を入力し、円形のボタンを押す。
―Take on!!―
ブレスから機械音声が発せられる。
同時にブレスから光があふれだし、次に男の全身をおおっていく。
次の瞬間には男の姿はなくなり、かわりに全身が黒いヒーローが立っていた。
関節部位以外は淡い光沢のある黒い装甲でおおわれている。
継ぎ目もなく、なめらかである。
顔はヘルメットのようになっており、顔すべてをかくしている。
ちょうど目があるところには黄色い双眸があった。
「“ノワール“、粒子放出量安定値。粒子固定率も正常です。ヒーロースーツ、完全に起動しました」
形代はほほ笑んだ。
ついに人類はまた一つ進歩し、彼の野望も一歩成功に近づいたのだから。
「ふむ、続いて次のステップに移りなさい。今回の被験者はなかなかやるようですね」
「はい、我々も人選は慎重にいたしましたので。では、次のステップに移ります。被験者は“インサイト”を起動させなさい。これが終われば、君は億万長者だ」
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