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次の瞬間には部屋と部屋をわけている強化ガラスに肉薄し、拳を叩きつけた。
爆発の衝撃にも耐えうる強化ガラスにひびがはいる。
部屋の中の研究者たちが一斉に身を引く。
だが、形代だけは冷静であった。
「まったく……一応、期待はしていたのですがだめでしたか。イドの力が強くとも、それ相応に心が強くないと、その力を御することはできない。こうなってしまったのは、あなたの心の弱さが原因ですね」
形代はガラスを叩き続ける被験者だったものに語りかけた。
そして、叫ぶ。
「ペテロ、アンデレ!!」
その声に反応するかのように白い部屋に二人のヒーローが舞い降りた。
ペテロとアンデレ。
前者は岩のようなごつごつしたスーツであり、さながら悪鬼のよう。
スーツには溶岩流のような裂け目が各所に入っている。
頭には湾曲した巨大な角が生えており、背には十字架の形をした大剣を背負っている。
後者は鎧武者のいでたちであり、背中に太刀を背負っている。
形代が短く声を発する。
「処分しなさい」
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