[幕開けです、お兄様]

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「『世界の守護者』になれば世界と会話ができます。まあ、できないときもありますが」 「何その電波」 「電波じゃありません!れっきとした事実です!」 「ふむ・・・」 正直突然のことばかりで理解が追いつかないが、要は世界を救ってこいということか。 「めんどくせぇ・・・」 「いや、そこまで言わなくても・・・」 そもそもチヒロという人物はかなり大人しい人物なのだ。 今は自分を保つ為にかなりふざけているが、通常なら事なかれ主義の平和主義者だ。 確かに戦いなどには心躍ることもあるが、それはゲームなどの仮想の上でのことであり、現実では殴り合いの喧嘩なんて滅多なことでも巻き込まれない。 そんな平和主義(自称)のチヒロが世界を守るなどと、“明らかに荒事しかならない”事にわざわざ首を突っ込むだろうか。いや、ない。 「第一、『世界の守護者』つっても俺は平凡な男子だぜ?」 「あ、今はただのヘタレ人間でしかないですよ?正確に「ヘタレいうな」いうなら『世界の守護者』候補ってだけですから」 どうやら正式に『世界の守護者』となるには世界との契約が必要になるらしい。この世界というのは『高次元世界』と『低次元世界』の双方である。 『高次元世界』とは候補者が今後の人生で得るはずの幸福、時間を対価に高次元【理】である【理念】を行使する権利を。 『低次元世界』とは自身の守護を対価に、その世界での超人的な肉体を。(つまりはその世界の全ての【理】で構成されたチート肉体)それに加え、その世界での全ての知識を好きなときに得ることができる。要は困ったら世界に関して検索できるということだ。
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