[幕開けです、お兄様]

12/13
前へ
/1214ページ
次へ
これらの契約を行った瞬間、『世界の守護者』は【理】の枠より外れる。 契約は『世界の守護者』が世界との契約を果たすまで有効であり、『低次元世界』との契約が終われば望む限りの眠りを『高次元存在』から与えられる。 そして、『高次元世界』との再契約を望むのならば永遠の戦いが。望まぬのであれば新しい『低次元世界』での回帰が用意されているらしい。 「つまり、私のように『高次元世界』と再契約したものはこういった管理する者となったり、別の『低次元世界』守護にいったりするわけですね」 「なるほど」 「あ、ちなみに年齢は永遠の18歳です。契約したのが18歳ですから、時間は関係ありませんよ?」 「リアルで換算すると「18歳ですよ?」いや、分かったから壷を下ろせ」 いよいよ身体的に危機を感じ取ったチヒロは素直に謝る。 何処か不満そうなアリーナだが、すぐに顔を引き締める。 「チヒロさん。本来はこのような事は言えないのですが、チヒロさんはかなり特殊なケースになります」 「と、言うと?」 「はい。本来『高次元世界』は契約したときにその人の人生を対価とします。が、チヒロさんは強制的に人生を終わらせられ・・・つまり対価を先に支払ったことになります」 「つまり、そこまで切迫した状況であった。契約の前に対価を払わせるとは・・・詐欺じゃね?」 「それはともかく。対価を払ったチヒロさんは『高次元世界』からの対価を受け取る義務があるんです。わかりますね?」 「あ~、つまりは『世界の守護者』として働かざるを得ない、と」 「そのとおり。契約は絶対の【理念】で決められています。これは覆せない」
/1214ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41380人が本棚に入れています
本棚に追加