[こんにちは、お兄様]

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「ひいいいいやああああああああ!!!!!!」 上空からパラシュートなしのスカイダイビング。 人生で後にも先にもこれが最初で最後だと思いたい。死んでるけど。 そんな余裕を持つ間もなく急降下するチヒロ。 しっかりと〈アヴァロン〉と〈エクスカリバー〉は握っているが、この状況下では全く意味を成していない。 「ああああ、こういう時はは、どどうしよう!?」 (とりあえず無難な案としては) 1:スタイリッシュ着陸 2:スタイリッシュ墜落 3:あきらめる 「1以外終わるじゃねえかああああ!!!」 自分の要領の悪さに嘆きつつも状況は切迫している。もう大陸の全景は見れず、大きな森が眼下に広がっていた。 このままだと森の大樹に突き刺さって百舌の早贄状態となるだろう。 それだけは避けたい。 「うおおお!【理念】解放!」 とにかくこの落下速度をなんとかせねば。そう思ったチヒロはとっさに【理念】を解放。 この世界の【理】の落下する現象に修正を加える。具体的には、“自分に対してだけ落下する現象を起こさない”といったものだ。 すると、徐々に落下する速度は収まっていく。が、ここでチヒロは嫌な予感が頭をよぎった。 「【理念】!遠心力を引力と同調!」 その判断は正しかった。 ものすごい運動エネルギー、惑星の自転による遠心力は【理念】によって書き換えられ、チヒロは上空に停止した状態で浮いている。 かなり大雑把な修正だが、そこは『低次元世界』の助けのおかげか、落下のエネルギーと遠心力が等しくなる状態で【理】が書き直されたようだ。 チヒロは不慣れながらも【理念】で微調整しながらゆっくりと森の中へと降下を開始した。
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