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勢い良く飛び起きる俺。それに驚く少女。そして―――
「どこだ・・・ここ」
チヒロが今認識する空間は、現実とかけ離れた様相を示していた。
自分が今立つ床は大理石のように光沢をもち、目を凝らせば自分が映っているのが見て取れる。
上を向けばまるでプラネタリウムのように膨大な星達がチヒロを見下ろしており、それ以外は完全に何も無い空間だった。
「・・・・・・」
「あ、あのぅ・・・」
絶句するチヒロに、おっかなビックリ声をかける存在が。
そこでようやくさっきの美少女が自分を見上げていることに気が付いた。
「あ、えと・・・柳、チヒロだ」
とりあえず自己紹介。こういう時は互いの名前を知っておくだけで落ち着くと以前読んだ本に書いてあった。
「あ、チヒロさんで間違い無かったんですね!よかったぁ~・・・」
安堵、と見て取れるほど安心した美少女は立ち上がるとチヒロに視線を向け、
「私はアリーナとお呼び下さい。あ、今チヒロさんが疑問に思ってることはこれから説明するので、とりあえずこちらへ」
そういってアリーナという少女は先導するように歩き始める。
呆然とその背中を見るチヒロだが、我に返ると
「お、おい!ちょっと待ってくれ!」
あわてて少女の後を追いかけるのだった。
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