[幕開けです、お兄様]

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破片の散らばる応接室。そこで息を切らしながらこちらを睨んでくるのはアリーナ。 チヒロは若干反省しながらも議題を口にする。 「で、実際ここはどこでキミは何者?」 ようやくアリーナの望んでいた質問が来たので意気揚々と応える。 「はい!ここは《多次元世界管理空間》!『世界の守護者』を送り出すためのサポートを全面的に行う場所なのです!」 「よし、取り合えず落ち着こう俺」 「ちょっとー!何ですか、その『うわぁ、こいつ何言ってんのマジヤベェ』的な目は!」 「事実なんだろう?」 「いや、違います!あ、《多次元世界管理局》や『世界の守護者』は事実ですけど!」 「あー、厨二乙」 「うがーーーー!!」 完全に冷静を失ったアリーナが説明を開始するのに10分を要した。 さて、話をまとめるとこうだ。 まず、チヒロの住んでいた世界は『高次元世界』という全ての世界の原点より生まれたものらしい。 世界、というのはそこの世界に住むものが観測できるもの全てのものであり、ぶっちゃけ宇宙の全てでさえ世界の一部なんだとか。 ここで重要なのが『高次元世界』から生まれた世界というのはチヒロのいた世界以外にも多く存在する。それこそ無数に。 それら膨大な無数の世界の総称を『低次元世界』という。これら『低次元世界』には本当に多くの物が存在するため、全てを説明するのは不可能に近いらしい。膨大すぎて。 ここで一つの疑問が浮上する。そんなに多くの世界が存在していて大丈夫なのかということだ。主に容量的な意味で。 「え?どうなんでしょう。多分大丈夫ですよ」 「コッペパン、じゃ無かった。根拠を要求するっ!」 「何故コッペパンなんですか」という呟きはスルーして話をまとめると、どうやら容量とかの『低次元世界』の常識は『高次元世界』には当てはまらないらしい。 何故そんなことがわかるのかというと、『高次元世界』の容量を示す情報が『高次元世界』から送られてきたとの事。 何故それが『高次元世界』だと断定できたかというと、【理】(コトワリ)が不可変のものだったかららしい。
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