-すれ違った想い-

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私はこれまでを思い返していた。 『コバエが気持ち悪いから、キンチョールしちゃうからね』 『結構な金額使ってるけど、クワガタとかカブトムシ…』 …思えば私は、アナタが夢中になってる事に、文句ばかり言っていた。 その度アナタは 『少し我慢してくれよ、ほかには何も打ち込めないんだから。』 そう言うと 『もし僕がお前より先に死んだら、夏には《カブトムシ》になって帰ってくるよ!!』 笑いながら話す、アナタの子供じみた言い訳や、無責任な言葉に、私はムキになって怒っていた。 私は心の小さな女だったと、自責の念に苛まれ胸がいたんだ。  
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