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疲れていたのだろう、暗くなると私は、吸い込まれるように深い眠りに落ちた。
子等もまるで遭難者のように、バタバタと眠っていた。
どのくらい眠っていただろう、いつものように、朝食の支度をする時間、ふっと目覚めた。
習慣とは怖いものだ…
『え~っ?もうこんな時間(汗)』
あわてて炊飯器のスイッチを入れ、味噌汁の支度を始めた。
すると、奥の部屋から足を引きずりアナタが出てきた。
『おはよ…』
そしていつものように、私を抱きしめた。
(えっ?どっちが夢なの!?)
少し戸惑ったが、アナタの腰に手を廻し、目一杯抱きついた。
私は触れてくるアナタを拒んでばかりだった。
だけどこの時ばかりは、まるで蜜月の頃のように甘えてみせた。
アナタもなんだか嬉しそうに見えた。
『あのね、私ねすごく嫌な夢見たんだよ(涙)』
『ん~?どうした? おとぅちゃん死んだ夢でもみたか?』
『バカ』
『あははは(笑) そうかそうか、それじゃぁ子等が起きるまで、こうやってダッコしといてやるよ。
ほら、ちゃんとココにいるよ』
(やっぱり悪い夢だったんだ… おとぅちゃん…温かい)
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