-すれ違った想い-

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幸せだった。 抱きしめられる事で、こんなに安心出来るとは思わなかった。 (いつまでもこのままで……) 程なくして、私は現実に引き戻された。すべて夢だった 涙が溢れて止まらなかった。 『お母ちゃん…大丈夫?』 子等が心配し側に寄り添った。 『ありがとう』 『お母ちゃんね、お父ちゃんの夢をみたの! 』 すると不思議な事に、子等が口をそろえてこう言った。 『僕も見たぁ!! お父ちゃんが夢に出てきてダッコしてくれた!!』 嬉しそうに話す子等に、私は少し怖がらせるようにこう言った。 『それほんと!? お父ちゃんが、化けて出てたみたいだね😃』 人を驚かすのが好きな人だったから、たぶん今何処かで、声を上げて笑っているに違いない。 何故だろう… アナタがいた時より、いないはずのアナタを、凄く近くに感じていた。  
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