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朝食が終わる頃、私の実家から、葬儀の片づけが終わった両親が来てくれた。
『お義父さんすみませんでした。』
『いや、すまん事はないですわ。お養父さん等も急な事ですまんかったですなぁ。』
義父養父の二人の父親は、言葉少な目に挨拶をすませ、やるべき事を始めた。
手が増えた分、片づけは一息に終わった。あとは引っ越し業者に連絡し、実家へと送るのみとなった。
『お茶にでもしましょうか?』
母が初めて口をきいた。言葉が見つからなかったのか、お父ちゃんが死んだ日から、私と言葉を交わしていなかったのだ。
何を話すでもなく、いい歳した大人4人は、コーヒーをすすり茶菓子を食べていた。
子等はいつものように、ディーエスで遊んでいた。
そんな時、義父が手提げから小さな紙切れを取り出しこう話始めた。
『これはなぁ、アイツが婿に行く前の晩、儂等親に宛てた手紙ですわ。ちょっと読ませてもろぅて構わんかな?』
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