-すれ違った想い-

5/27
前へ
/92ページ
次へ
私はただぼんやりと、天井を眺めていた。 差し込む西日で、まるで燃えるように、6畳の居間は赤く染まっていた。 そんな時、唐突に響くチャイムが、来客をつげたのだった。 『おかぁさん、宅配来たよ。』 上の息子がそう呼びかけた。 虚ろになりそうな私を、息子が普段と変わりない声、口調で呼び止めてくれたのだった。
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加