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寒い。
ここは暗く何もない。
右も左も分からず、自分が本当にここに存在しているのかさえ分からない。
ただ無音の世界が…、濃く深い闇が広がるばかり。
ここは死後の世界なのか?
私は死んだのだろうか。
まぁ、トラックに撥ねられた上に川に落ちたのだから、死んだ可能性が高いな。
ただ…、死後の世界はもっと綺麗なものだと思っていた…。
………ここに…、この世界にあの子もいるのだろうか。
あてもなく歩き出そうとしたとき、闇の中に微かな光が見えた。
その光は暖かく、不思議と落ち着けるものだ。
誘われるように近付き、光に手を伸ばして触れたとき、辺り一面が眩い光に包まれた。
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