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「…………………………………すいません。もう一度聞いていいですか?」
「だから~、新撰組の屯所だってば。」
………新撰組?屯所?
本気で言っているんだろうか?
新撰組といえば、幕末で活躍した人達の事だろう?
私は京都に住んでいるし、新撰組に興味があったから多少調べた事もある…。
けど、いくらなんでも…。
しかし、この人達が嘘をつく必要もないし……、着物に刀はどう説明するんだ?コスプレ?
「………い…
……………おい!」
「あっ、はい!」
どうやら考えに没頭して、呼び掛けられているのに気付くのが遅れてしまったようだ。
「副長から、お前が目を覚ましたら連れて来いと言われている。悪いが一緒に来てもらう。」
副長…か……、新撰組なら土方歳三だな。
いつまでも考えていても仕方ないし、行くしかないんだろうな。
というよりも、前にいる二人が雰囲気は穏やかだが、目が『逃がさない』と語っている。
「…わかりました。」
どうせ詳しく現状を知らないといけないため、痛む身体に鞭打って、二人の案内に従った。
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