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「副長。連れて来ました。」
「入れ。」
案内され辿り着いた部屋。
中に入るよう促され、まずは永倉さんと藤堂さんが中に入る。
案内された以上、私も中に入らないといけないのだろうが、妙に緊張するのは何故だろう。
先程の「入れ」の一言に、異様に威厳があったせいか。
物凄く入りたくないという気持ちを押し込め、足を踏み入れる。
「失礼します。」
中に入って一番最初に目に映ったのは、こちらに背中を向けて机に向かう男の後ろ姿。
髪を頭上で纏めているにも関わらず、腰あたりまで伸びている。
…髪長いな。
しかも艶がある…。
というより、男なのになんでそんなに髪伸ばしてるんだよ…。
邪魔じゃないのか?
そんなどうでもいい事を考えていると、男が振り返った。
「!?」
見た瞬間、脳に走る衝撃。
あぁ…、この顔には見覚えがある。
ややつり目がちで、威厳のあるこちらを睨みつけている眼。
筋の通った鼻。
流れるような顎のライン。
一言でいうなら、整った顔立ち。
新撰組を調べていたときに、何度も本で見た写真と同じ顔だ。
あえていうなら、写真よりも少々若いが。
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