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「もう二度と後悔したくないからかな……。」
そう…、もうあんな思いはしたくない。
身を引きちぎられるような…、あんな思いは…。
「後悔って…、それはあの時の事を言っているの?あれは雪が悪いわけじゃ…。」
麻奈が話している途中だったが、玄関についたため無理矢理話を断ち切る形で別れを言う。
「麻奈、じゃあここで。私はいつも通り走って帰るから。
気をつけて帰れよ。」
麻奈はまだ何か言いたげだったが、話が続くのが嫌で返事を待たずに走りだす。
「もう!話してる途中なのに…。」
……やっぱり雪はあの時の事をまだ引きずってるのかな。引きずるなという方が難しいのかもしれないけど、あれ以来笑わなくなって…。私にさえ、あまり頼らなくなっちゃったね。
そして、遠く離れていく幼なじみの背中を寂しげな瞳で見送った。
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