Crystaの学校生活

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学校でのCrystaの様子はこうだった。 小学校に入学したての頃は、その人懐っこい笑顔とソフトな人当たりのよさ、また、成績の優秀さ、恵まれた容姿によって、最初の頃は周囲からチヤホヤされはしたものの…あまりに成績優秀だったCrystaは、担任に特別扱いされすぎて…次第に一部の友人から疎まれるようになっていった。 それに加えてCrystaは誰でもバランスのとれた愛情を受けて育ったなら持ち備えているはずの、会話を長続きさせる術を知らなかった。 そのため、多くの友人が話しかけてきても、二言三言が限界で、まるで会話が成立しなかった。 そのようにして、次第にクラスメートのCrystaに対する当たりはキツイものに変わっていき、虐めが横行されるようになっていった… 初めはCrystaを数人の生徒で取り囲んでの悪口大会… 「なんでそんなに暗いの?」 「あっあたしCrystaと同じ誕生月だった!なんでこんな暗い人と同じ誕生月じゃないといけないの?最悪~」 「妹いるんだね!でもcrysta小さいからすぐ背ぬかされそ~」 そしてクラスメート達の魔の手はじわじわとCrystaの背後に迫るのだった。 ある日の休み時間、ペンケースがごみ箱に捨てられてホコリまみれになっていた。 また別の体育の授業中、運動神経の悪いCrystaは、グループ決めの際に最後の1人になるまで残されて、惨めな想いをするのだった。 そして、小学校3年生までの間は…パラパラとだが、誰かしらが側にいてくれて寂しさを凌いだのだが… 小学校4年生の時、F森くんと隣合わせの席になった。 F森くんはあまのじゃくな乱暴者で、Crystaに執拗にちょっかいを出すのだった。 ある時はCrystaの机に鉛筆で線引きをし、 「ここまでが俺の陣地だから、ここから出たら蹴るぞ」 と言ってきた。 冬になると乾燥肌のCrystaの髪からフケが落ちるのを嫌って、 「フケこ!汚ね~!あっち行け」 と言いながら椅子を何度も蹴ってきた。 またホチキスで自分の指を留めて流血騒ぎを起こしたり…その行動が授業中にまで及んだ為、ある日Crystaはあまりの怒りに勢い余って分厚い辞書で、F森くんの頭を思いきり殴ってしまった。 その後のF森くんは急におとなしくなり、何もしてこなくなったかと思うと…給食の時間、前触れもなく、突然告白されてしまった。Crystaは何が起こったのかも解らず、びっくりして足速にその場から去ってしまうのだった。
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