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使夜「俺は明日、姿を消す。親には悪いが…俺決めたからさ」
そう言うと、使夜はニコッと微笑んだ。
使夜「祐樹はこの世界に残るべきだ。お前、家族や友人捨てられないだろし…」
祐樹「てか、何を言ってるのかわからないんだけど…頭がゴチャゴチャしてるし」
使夜「確かにいきなり言われてもな」
フフッと使夜は笑った。
祐樹「また、会えるだろ?」
使夜は返事をしなかった。
使夜「遅くなると、親が心配するし…帰らないとな」
祐樹「このまま帰られるかよ…お前と会えるの今日だけなんだろ?」
使夜「大丈夫さ、俺がいなくなっても、いつかは忘れ去られてしまう。悲しみもひと時だけさ。ヒト一人消えたところで世界は何事もなかったようにいつも通り動くしまわる…」
祐樹「僕は…」
使夜「さっ俺帰るわ!じゃあな」
わざと僕の発言を掻き消した。
そして使夜はブランコから立ち上がり、サッと公園から出て行った。
祐樹「ちょ…使夜!!」
僕は急いで追い掛けた。
しかし…
祐樹「…あれ?」
公園を駆け出ると、もう使夜の姿はどこにもなくひっそりと暗い秋の夜道があるだけだった。
涼しい風がスゥっと僕の頬を撫で通り過ぎていった。
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