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部屋の天井には、蜘蛛の巣が2、3存在して、生きていくためにさらに大きな巣を張ろうと拡大し、蜘蛛の生涯で素晴らしい一つの作品が出来あがっていた。
素晴らしき巣は繁殖期を迎え、その蜘蛛の子孫へと受け継がれていくのかもしれない。
オタは、蜘蛛の巣を眺めることを好まなかった。
「そんなの見てられるかwwww。アニメで忙しいwwww」
蜘蛛はあとで片っ端から潰したのである。
あまつさえ湿気の多いところには、一群れずつのかびさえも生えた。
かびはなんと愚かな習性をもっていたことだろう。
消えることはないが繁殖はあまり見えず、密かに畳の裏にでもキノコが生える環境を整えているかのようであった。
「アイ ラブ ファブリーズwwww」
オタは部屋の窓から、外の光景を眺めることを好んだ。
「アニメ観させろよwwww」
五月蝿い黙れ。
この空気の淀んだ暗い場所から、清々しいと思われる明るい場所を見ることは、これは興味深いことではないか。
「うわーなんて綺麗なんだろー(棒読み)」
は?
「すんませんしたwwww」
そして窓から見るときほど、常に多くのものをみることはできないのである。
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