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「私に話かけるなんて十年早いわよ!」
「…はあ?」
御手洗華凛は目を合わさず
顔をこちらに向けることもなく言い放つ
こっちは転校生を気遣って声かけてやったのに…
何を言ってんだこいつ
「どういう…」
「気安く話かけないで」
可愛いげのないこの態度に我慢出来なかった俺は
ささやかな反撃をすることにした
「…そうですかー
もう話しかけませんよ
おトイレさん!」
御手洗(ミタライ)普通に読んだら御手洗(オテアライ)=トイレ
我ながら幼稚な悪口だと思う
「……っ!なんですって~……!」
ところが御手洗華凛は過敏に反応し
顔をこちらに向け
キッと力一杯俺を睨み付けてきた
「あ、ごめんね~
オテアライって読むかと思った~」
そんな御手洗華凛に俺はわざともう一回言ってやる
すると明らかに怒りのボルテージが上がりワナワナとしている
「幼稚な悪口ね
さすが名前がありきたりなだけあるわね
悪口もありきたり」
御手洗華凛はそんな反撃の言葉を返しながら
鼻でふんっと俺の事を笑う
「その割には相当怒ってらっしゃるようですが?」
俺も負けじとニヤニヤと笑い嫌味ったらしく切り返す
俺ってこんなやつだったか……?
こんなやりとりをしていると殺気を感じた
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