変わった日常

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玄関の扉を出て目に映ったのは 栗色の少しウェーブのかかった綺麗な髪を風に揺らし 腰に両手を当て立つ華凛の姿だった 俺は一瞬目を疑った 「み、御手洗? お前なんでここに…?」 「…い」 俺が疑問をぶつけようとした所に華凛は遮るように何かを言った 「…え?」 「だから遅いって言ってるのよ!」 …はあ? 何を言ってるんだ…? 「俺…何か約束してたか?」 「いいえ?」 さも当たり前のようにサラリと言ってくれたが そのおかげで余計に居る意味がわからなかった 「じゃあ…なんで居るの?」 当然の疑問だった 「一緒に登校するために決まってるじゃない」 …決まってるの? なぜこんなに当たり前のように言えるのかがわからなかった 「俺…自転車だよ?」 「じゃあ後ろに乗せて」 …本気で行くらしい なら何言っても無駄か 「わかったよ…じゃあ後ろに乗れよ」 自転車のかごに鞄と弁当箱を入れ 自転車に跨り言うと 「やった!じゃあ行きましょ!」 満面の笑みで喜んだ 二回目だ… 華凛の笑顔にはドキッとさせられる とにかく綺麗なのもあるが いつもの刺々しい雰囲気とは違い とても可愛らしい とても愛くるしい笑顔だからだ そのギャップもドキっとさせられる
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