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「俺、東さんに恋したかも」
綾はテーブルに顎をのせてうっとりとした。
「また始まった」
オレンジジュースのストローを宙に浮かべ、大陽は笑った。
「リョウは惚れっぽいからな」
翔平は視線をノートから外さず、無表情で言う。
「だーー!!翔平もヒロも冷たいーー!!」
綾が頬を膨らませると、大陽はクスッと笑った。
「リョウはかわいーから、また女の子が気後れしちゃうじゃない?」
「わ、わ、抱きつくなよ!」
大陽に急に抱き締められ、綾はジタバタと動く。
「あー、いー匂い」
首筋をクンクンと嗅がれ、綾の動きは余計に大きくなる。
翔平はその姿をみて、ため息をついた。
「ヒロ、おまえデートの時間じゃないか?」
「あっ、やべっ!でも今日会う子よりリョウの方がかわいーんだよなー」
冗談じゃない、と綾の抵抗は強くなる。
「リョウをあまりからかうな」
翔平の一言に大陽は綾から離れ、身仕度をした。
ジャケットを羽織り、少し茶色がかった髪をセットしなおす。
「じゃーな!また明日」
大陽は名前に負けないくらい明るくニカッと笑い、帰っていった。
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