綾ちゃんの秘密。

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綾、翔平、大陽は幼なじみだ。 小学校から高校まで、3人は同じ学校に通っている。クラスが変わっても、部活が違っていても、3人はいつもつるんでいた。 それほど仲が良かった。 「ショウちゃん、読み終わったら貸して♪」 綾は首を傾げながら言う。 可愛らしいおねだりに大概の人間は頷くが、翔平は別だ。 「数学の宿題が終わったらな」 涼しげな顔で言う翔平に、綾はぶすっとする。 (なんだよ、ヒロならみせてくれるのにっ) 大陽は綾に甘く、なんでも言うことを聞いてくれる。今日もきっと頼めばノートをみせてくれただろう。 …やっていたかどうかは別として。 (翔平のドSメガネ!) 「おい」 綾は頭の中文句を言っていたため、ビクッとした。 「どこがわからないかわかったか?」 「えっと、ここで使う公式がわからなくて…」 翔平は教科書をペラペラとめくり、丁寧に説明していった。 綾は最初こそ顔をしかめていたが、だんだん笑みを浮かべていった。 「翔平、俺わかったかも!ちょっと自分でやってみる!」 翔平は綾のモチベーションが上がったのをみて、頷いた。 (綾が宿題を終えるまで読み終えるか)
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