5120人が本棚に入れています
本棚に追加
綾、翔平、大陽は幼なじみだ。
小学校から高校まで、3人は同じ学校に通っている。クラスが変わっても、部活が違っていても、3人はいつもつるんでいた。
それほど仲が良かった。
「ショウちゃん、読み終わったら貸して♪」
綾は首を傾げながら言う。
可愛らしいおねだりに大概の人間は頷くが、翔平は別だ。
「数学の宿題が終わったらな」
涼しげな顔で言う翔平に、綾はぶすっとする。
(なんだよ、ヒロならみせてくれるのにっ)
大陽は綾に甘く、なんでも言うことを聞いてくれる。今日もきっと頼めばノートをみせてくれただろう。
…やっていたかどうかは別として。
(翔平のドSメガネ!)
「おい」
綾は頭の中文句を言っていたため、ビクッとした。
「どこがわからないかわかったか?」
「えっと、ここで使う公式がわからなくて…」
翔平は教科書をペラペラとめくり、丁寧に説明していった。
綾は最初こそ顔をしかめていたが、だんだん笑みを浮かべていった。
「翔平、俺わかったかも!ちょっと自分でやってみる!」
翔平は綾のモチベーションが上がったのをみて、頷いた。
(綾が宿題を終えるまで読み終えるか)
最初のコメントを投稿しよう!