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「綾さんっ、次はこれ着て下さい♪」
雛子の笑顔に、綾はげんなりしつつも頷いた。
バスケを観に行った後、雛子に連れられてファッションビルへと連れて行かれた。
「綾さんは自分の良さをもっと出していかなきゃだめです」
雛子はそう言って、洋服屋で綾にたくさん服をもってきて着させた。
(俺、着せ替えリカちゃん状態?)
雛子の持ってくる服は確かに可愛いが、綾には特に必要なかった。
「この組み合わせで着てみて下さいっ」
(やれやれ…)
綾は呆れつつも、試着室のカーテンを閉めた。
――――
「綾さんっ、それが一番似合いますっ」
何度も着替え、店員も苦笑いの中。
雛子はようやく思うようなものがみつかった。
「え、あ、確かに…」
少し薄いピンクのニット。白いレースのスカート。
綾にぴったりだった。
「でも高いんじゃ…」
そう言う綾に、雛子は耳打ちをした。
「え、マジで!?」
にっこりと笑う雛子。
(うむむ、確かに似合うし…きっと買わなきゃヒナも膨れるだろうし)
綾は財布の中身を確認して、ヨシッと頷いた。
「これ、買うよ」
雛子は両手をあげて喜んだ。
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