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「そういえば」
雛子からさっそく、今日買った服を着て写メを送るようにメールがきた。
(何に使うんだろう)
綾はそう思いつつも、ハサミでタグを切り、スカートに足を通す。
「綾、風呂あいたぞー」
タイミングよく、隆一郎がドアを開ける。
「兄ちゃんは、白もすきだが黒もすきだぞ」
ニヤニヤする兄がみているのはスカートではなく…
「し、死んでしまえっ!!」
クッションを投げるが受けとめられる。
「綾は男だから、別に気にすることないだろ」
むぅ、と綾が一睨みするが、隆一郎は全く動じなかった。
「綾、なんか胸大きくなった?」
いつのまにか後ろから鷲掴みされ、綾はパニック状態に陥った。
「兄ちゃ…ん、やめてっ!」
綾がジタバタしたので、隆一郎は手を放した。
「いや、マジで。自分でも触ってみ?」
真面目な顔して言われるので、綾はふにっと触ってみた。
「あ、確かに」
「だろ?」
フフンっと偉そうに笑う兄。
綾は急いで着替え中の服に身を通した。
「もっと大きくしてやろうか?」
隆一郎のにやけ顔に。
「結構です」
綾はぴしゃりと断言した。
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