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浴槽から上がり、体を洗う。最近はようやく自分の体にも慣れてきた。 最初の頃はアダルトビデオでしかみたことがない女性の体を、綾は直視することができなかった。 しかも、綾は胸が大きいのがすきで。 今の体はまさに綾の好みの体型だった。 綾は先程兄に言われたことが気になり、もう一度胸を揉んだ。なんだか、大きくなったというよりも、張っている感覚に近かった。 鏡の前の美少女が胸を揉む。 綾は少しだけ、興奮してしまった。 (女の子って男より気持ちがいいって言うよな…) もう一度、手が胸に戻る。 「…んっ」 体がビクンッとした。 (やばい、触っただけなのに…) 綾はこれ以上してはいけない気がして、体を洗うとすぐお風呂場からでた。 ―――― お風呂から上がり、髪を乾かす。男の時より少し長めの髪は、ドライヤーをしっかりかけないとはねるからだ。 「兄ちゃん、おやすみ」 「おやすみ、綾」 隆一郎が難しそうな本を読んでいたので、綾は少し未来が明るくなった。 部屋に戻ると、携帯のランプが点灯している。 「翔平…おっ、伊坂幸太郎以外をみつけたんだ…奥田英朗かー」
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