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ズキッ
お腹に激痛が走る。思わず唸ると、翔平が慌てて近寄った。
「おい、大丈夫か?」
「うぐ…痛い…ごめん、トイレ借りる…」
よろよろと立ち上がり、綾は階段をタン、タンと一つずつ降りていった。
――――
(あー…、二度目でも慣れない…)
綾はトイレで頭を抱えた。
保険医に「生理痛だね」と言われた。
生理用ナプキンを受け取り、トイレに駆け込んだ。
実際この目で見た時は気を失うかと思った。
(貧血になるよな、そりゃ)
はあっと溜息を吐いた。
(本当に、俺、女の子になったんだな…)
ぐったりする。
(あー…、どうすればいいんだ)
自分の変化と。
(翔平が気付いている…)
正体がばれたということが、綾をパニックにさせた。
トントン
「リョウ?倒れてないか?」
翔平が心配してきてしまった。
(あー、どうしよー)
とりあえず、トイレからでて洗面所で手を洗う。
「あ、あの、具合がすごく悪くて…すぐにでも家に帰りたい…」
顔面蒼白の綾をみて、翔平は頷くことにした。
「送るから待ってろ」
翔平は綾のカバンをとりにいった。
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