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赤飯の豆を避けながら食べる隆一郎。
(嫌いなら買わなきゃいいのに)
呆れながら、綾は煮物を口に運ぶ。
「なあ、兄ちゃん。もし俺が女になったってばれたらどうする?」
隆一郎の箸が止まった。
「ばれたのか!?」
すごい勢いで言われ、綾は思わず首を振った。
隆一郎はほっとした顔になった。
「男子高校生って、女の子に興味津々なんだ。例えば綾が女の子になったと知ったら、まわりは何をすると思う?」
きょとんとしている綾に、隆一郎はふうっと息を吐く。
「興味本位で襲われる可能性もあるってことだ」
「なっ…!?」
「綾だって、男の時はHに興味あっただろ?今のおまえの体は最高のプロポーションだ。何が起きてもおかしくない」
綾は何も言えなくなった。確かに今でも胸が大きい女の子に目がいくし、かわいい女の子とHをしてみたい。
「今時の高校生はすぐに童貞を捨てがるからな」
「うぐっ」
「綾が女の子だとばれたら、心配で会社にもいけないよ」
「うぐぐっ」
綾はそこまで言う隆一郎に、翔平にばれたことを言うことができなかった。
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