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そして数分後、ジャージに着替えた先生たちが校庭に入り、いよいよドッジボール大会は幕をあけた。
どうやら準備体操は各自で行うらしい。
待ってる間にしとけばよかった…
とまあ、祐二と愚痴をこぼしながら体操をした俺たちは、トーナメント表へと向かった。
なんでも、昼休みに学級委員の子がクジを引きに行ってくれたみたいだ。
俺と祐二はそれを見て、1組から8組ある中から我らが3組を見つけた。
「……第ニ試合か…祐二、とりあえずどんな感じで試合をしているか、まずは様子見をしよう」
俺はそう祐二に言った。
が、彼は少しだけやれやれといった表情をした。
「な、なんだよ、変なこと言ったか?」
「いや…お前さ、大事なこと忘れてね?」
「…なんだよそれ」
すると、祐二はさらにやれやれといった表情を見せ、さらにため息まで追加してきた。
少しムカついたけど、続きが気になるから殴りはしない。
「今回の目的の石神桜ちゃんが何組か知ってるのか?よーへいくんよー」
…
……
し、しまった…。
まったく知らないじゃないか!
いつ当たるのかとかを把握しとかないと、その…あの…心の準備というか…ね?
「ハハハハハ!その顔は全然知りませんって顔だな!…やれやれ…だからお前はいつも詰めが甘いんだよ。わかるかぁーい?んー?」
…何コイツ、かなりムカつくんだけどちくしょー。
まあ知らなかったから何も言えないんだけどさ、なんていうかこの ドヤッ って感じの顔が頭にくるというか…でもイケメンっていうか…くそぉ…
「でも大丈夫!俺様、祐二のスーパー情報収集力で、石神桜のクラス、出席番号、誕生日、血液型…」
おい、なんでこんなに知ってるの?
コイツ、ストーカーなんじゃないの?
しかも自慢気なのがまた腹立つ…
が、
「まだまだあるぞ?家族構成、起床就寝時間、今日のパンツの色からなんとスリーサイズまでゲホォアアア!!」
スーパー情報なんたらをもったイケメンストーカー祐二の後頭部に綺麗な蹴りが炸裂した。
「…誰から聴いたか、どうやって知ったか知らないが、とりあえず記憶が消えるまで蹴るか殴るか潰すかしなきゃいけないみたいだな」
はい、俺の愛しき人、石神桜さん本人でした。
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