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鈍い金属音が辺りに響いた。
ガードレールは曲がり、車もフロント部分が壊れている。
が、曲がったガードレールの先に、さっきの女の子はいなかった。
代わりにそこに居たのは、オレンジ色の髪の少女。
女の子を抱き締めるように、ガードレールからの盾になっていた。
「大丈夫?」
ふと聞こえた優しい声。
恐らく少女のものだ。
「ヒック、お姉ちゃん、ありがとぉ…!」
女の子は少女に抱かれながら泣きじゃくっていた。
すぐに騒ぎに気づいた人が駆け寄る。
「おいお嬢さん!背中、大丈夫なのかい!?」
よく見ると、ガードレールが少女の背中に当たっていた。
「少し当たっただけですから、大したことありません。それよりも、このコの家に連絡をしてあげてください」
苦しいはずなのに、クスッと笑っていった少女。
その顔は少しだけつり上がった目、ふっくらとした唇、そして何よりも可愛さと綺麗さをあわせ持っていた。
そして少女が女の子の頭を撫でる姿に
心臓が騒いでいた。
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