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「御用改めである!」
「無礼すまいぞっ。手向かいすれば、容赦なく斬り捨てる!」
紅蓮の声に続き、局長である近藤が一喝する。
「だぁぁぁぁっ」
威勢の良い、しかし、殺意しか感じられない声が後ろから響く。
…が、
ザシュッ
「手向かいすれば、容赦なく斬り捨てる、と言ったはずだが?」
紅蓮の低く怒りの混じった声と共に、その者は斬り捨てられた。
「紅蓮っ、屋敷内をくまなく探せ!何者であろうが、斬り捨てろ!」
「承知」
紅蓮は、早足で屋敷内を散策する
奥座敷を調べようと、長い廊下を歩きつつ、各部屋を見る。
途中、無謀にも斬りかかってくる輩がいたが、
あえなく斬り捨てられた。
「御用改めである!」
襖を開けた。
そこには…………
「子供……っ」
しかも気を失っている
頬はやつれ、細い手足が何も食べていない事を窺わせる。
裕福な家であるにも関わらず、ボロボロの衣服を身につけている。
しかし、しかし…………っ!!
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