急降下

2/5
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「退屈だなぁ」 あくびを零しながら、溜息を吐き出す。 ここは何を隠そう通学路、俺以外にも沢山の学生達が学校に向かっている。 みんなニコニコ笑いながら話したりしてる。 みんな知ってるか? 今向かっているところって学校という名の地獄だぞ!! その地獄には善良な教師の皮を被った悪魔がいるんだぞ!! いや、待てよ地獄だから鬼の方が正しいのか? どちらにせよあいつらは化け物なのだ。 そして勉強という罰を与えてくるのだ.... 学歴社会に置いて、この罰を一心に受け止めた奴らだけが上にのぼっていける。 だから、勉強が好きなやつらは俺からしたらドMなのだ。 一人SM 今日の女王様は、国語か?それとも化学?まさかの歴史? ええい!!そうじゃない!! 一日何時間もかけて全ての女王様と徹夜でフィーバーするのさ!! ブルル やばい、そんな生活を考えただけで背筋が南極だ。 とにかく勉強が悪いもんだとは言わない。 でも、俺は嫌いだ。 いくら可愛い娘に化けて告白されたって付き合わないぞ....多分。 「げ!!もう着いてしまった」 考えた事が深みにはまりすぎていたらしい。 気付いたら地獄の門をくぐってしまっている。 「習慣って恐ろしいな」 「あんた何一人言いってんの?」 「うわ!!くせ者!!」 「なにがくせ者だっての!!ここは戦国か?!」 「なんだお前か、びっくりさせんなよ。言っとくけど人は何時でも夢と戦ってる、だから何時の世も戦国だ!!」 「いやそこは肯定しないで、ツッコミでしょ」 「お前の雑なボケに俺の繊細なツッコミを誰が嫁に出すかよ」 「また訳の分からないボケを。やっぱりなんか面白いはあんた」 たく何様だよこいつは。 「山内秋」 ってこいつ俺の心読みやがった!! しかも別に名前は聞いてねーし。 「んじゃ何が聞きたいの?」 「だから、心を読むんじゃねぇ」 「読んでないよ。てか読めるわけないじゃん」 んじゃさっきのなんなんだよ 「つーか山内との訳わからん会話のせいで皆に白い目で見られてる」 「気のせいでしょ」 いや気のせいじゃないから、周りの人間の目が完全に白だよ。 お前ら、黒目どこで落としてきた。 視線の圧力に耐え続けるのも流石に限界だ。 「山内。俺は教室に忘れ物をした。だから先に行ってるぞ」 そんな 捨て台詞をはいてその場を俺は立ち去った。 「いや、今下校じゃないし台詞もおかしいだろ」 周りの学生は皆そうつぶやいた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!