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「そうよ!あんたさえ…あんたさえ生まなきゃ私は幸せだったのよ!あんたのせいで私の人生ボロボロよ」
心臓にナイフを刺されたような鋭い痛みがナミを苦しめた。
「あてつけのつもりで生んだのに…父さんは私を置いて死んだわ…私を犯して孕ませて…娘を傷つけるだけ傷つけて…っ…愛してたのに…なんて酷い人…」
…気持ち悪い…ナミは込み上げてくる吐き気に耐え切れず部屋を飛び出していた
外は雨が降っていた…夏が終り秋が過ぎ季節は、もう冬になろうと移り行く季節の中、ナミの心の中だけは何時も真冬のように冷たく凍えている。
「…寒い…」
雨に打たれ、ずぶ濡れになりながらナミは唯一の心の安らぐ祖母の家へと向かった。
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