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あれから数日…広まった噂にリュオは胸を痛めながらも入学式の日がやってきた。
本来ならば気乗りはしないが、そうも言っていられない。
むしろ、早めに属性を使えるように訓練して見返してやろうとさえ思っている。
学生寮で意気揚々とブレザーを羽織を手にとるリュオはあることに気付いた。
「少しというか…
これは大分…というか、かなり大きい。」
鏡の中にいるブカブカのブレザーを羽織る自分への感想。
姉が成長期だからと少し大きめのを選んでくれたが気合いが入り過ぎている。
しかし、両親がいないリュオを女手一つで育ててくれた姉の嬉しそうな顔。
そんな姉の笑顔を曇らせたくないとはいえ、もう少しソフトに伝えるべきだった。
「いや、それじゃ伝わらないか…」
リュオは姉の性格を思い出して深い溜息を着く。
相当、強めに言わないと気付かない姉の性格を思い出したのだ。
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