~Prologue~

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「リュオ=ナイツフォルド。」 ミシェリアが生徒達の列に戻る前に老紳士は次の生徒の名を読み上げる。 名前を呼ばれた生徒は、ミシェリアとすれ違いざまに演説台に向かって歩んで行く。 腰までスラリと伸びた金髪は、一見うっとおしくも思えるが襟足の辺りで綺麗に束ねられている。 また、手入れも行き届いていてサラサラの砂金を思わせる髪には毛元から毛先まで傷みは見当たらない。 敢えてミシェリアと違いを挙げるならば、場慣れしていないせいかガチガチに固まってしまってること。 今にも転んでしまいそうな姿は、先程とは別の意味で見る者を惹きつけてしまっている。 他にも違いを上げるとしたら、サファイアの様な瞳の色など挙げていけばキリがない。 だが、二人の明確な違いを一つだけ挙げるとすれば老若男女がこう答えるであろう。 「ぬぅぅぅん…これほどの美貌をもつ者が少女ではなく少年だと言うのか。」 筋肉の塊のような教師が言うように、リュオ=ナイツフォルドは生物学上は女ではなく男なのだ。 その容姿から制服さえ着ていなければ、女と言い張ってしまえば誰も疑いはしないだろう。 現に暑苦しさ全開の筋肉達磨である彼が、リュオを見ている目は怪しく同性を見ているものには思えない。
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