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「御託はいいから早く見せてくれよ。
お前のスゲぇ精霊力ってやつをさ。」
当分は続くと思われた質疑応答を終わらせたのは、ボサボサの茶髪頭のいい加減そうな教師 。
前言撤回、着ている茶色のスーツもヨレヨレなのでいい加減な性格なのだろう。
先の白髪眼鏡の深緑色のスーツは値が張るように見えたが、このヨレヨレスーツはセール品にしか見えない。
「うむ、これは失礼した。
それでは、始めてもらうとしよう。」
老紳士が自前の白い顎髭をしごきながらリュオに精霊力の測定を促す。
リュオは白羽根を握り込んで、まるで祈りでも上げているかの様にに瞳を静かに閉じる。
それに応じて、書記の女性が身構えると同時に講堂全体が大きく震え上がる。
リュオが流した大き過ぎる精霊力が、この場にいるもの全てを平等に威圧しているのだ。
「なんという精霊力じゃ…
ダリア君、彼の精霊力の値はどうなっておる?」
「精霊力、現在も上昇中…
1000…1500…1800…2000…
信じられません、まだ上がっています!!」
ほとばしる精霊力の奔流に銀色の髪を乱されながらも女性教員…ダリアは必死に数値を読み上げる。
「通常の10倍…素晴らしい…
これならば、今度こそ永年の悲願も成就しそうじゃ…」
その規格外の数値を目にして、老紳士は誰の目にも止まる事のないように口角を吊り上げた。
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