~epilogue~

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場面は学園の所有する訓練場へと移り変わる。その中央には一心不乱に槍を振り回しているラゼルの姿があった。 しかし、その動きにいつもの軽快さは見られない。表情も苦痛に歪み、脂汗を浮かべているが遠くからでも分かる。 「こんなんじゃ…全然ダメだ。  あのクソ野郎を追い越すどころか、相棒の隣に並ぶのだって厳しいぜ。」 身体が悲鳴をあげている。いつもは重量すら感じない訓練用の槍が重く感じるもラゼルは手を止めない。 先日のような醜態は二度と晒さない。敵の策にハマっただけでなく、一番助けられたくない人物にまで助けられた。 「……風突ッ!!」 その屈辱が自分を追い込み、痛んだ身体を意志力のみで強引に突き動かすも…精神と肉体にズレが生じる。 「……ぐっ……ちくしょう。」 全身に走る激痛を精神力で制しようとするも、その手はラゼルに応えてくれず木槍を放棄してしまう。 「頼むから踏ん張れよ…俺の身体…」 自分の思うように動いてくれない身体を責める。あの日だって、もう少し動ければ結果は違ったはずだ。 「どうやら…随分と無茶をしているようじゃのぅ。」 その時、ラゼル以外は誰もいなかったはずの訓練場。そこに老人特有のしわがれた声が背中を叩いた。
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