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それから、DVDを二本借りて帰宅。 薄暗い間接照明の中、二人並んでソファーに腰掛けてただいま一本目を鑑賞中だ。 ムードを出そうと普段は絶ッッ対に見ない恋愛モノを借りてみた俺に対して、光輝が選んだのはなんとえげつない和風ホラー。 部屋が薄暗いのはムード作りのためでも何でもない。 純粋にホラーを楽しむために、光輝が消しやがっただけの話。 あいつの希望で先にホラーから観ることになったものの…… 悪酔いした相手の横で本気のホラー鑑賞って、何か違くね? まぁ、奔放な光輝らしいっちゃ確かにそーなんだけど。 「「…………」」 静まり返った室内。 ビール片手にテレビに向かう光輝の顔はいつになく真剣だ。 ホラーが得意でも好きなワケでもない俺はひたすら退屈で。 当初の悪酔い設定なんか無視して、ビールを空けつつ適当に画面を眺めることにした。 ──が。 予想外なことに、このホラーDVD、映画の上演が途中で中止になったぐらいの代物らしく、洒落にならねぇほどえげつねー……。 こんなもんをなんで普通に観てられんだ、こいつは! 「……ッ!」 振り向きざまに悪霊が襲い掛かってくる場面で、思わず隣の光輝の腕を掴んだ。 「何お前、もしかしてホラー駄目なの?」 ニヤつく光輝。 「別に……」 ホラーが駄目なワケじゃねぇ。たいがいは一人でだって普通に見れると思う。 ……こいつの選んだDVDが特殊なだけだ。
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