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「怖ぇーくせに。さっきから、身体がガッチガチに固まってんぞ。……手、握っててやろうか?」
「ぁ!?いるかよ!」
ぜってぇ面白がってんだろ、こいつ……!
すでに四本目のビールに差し掛かっている光輝は、ほんのりほろ酔い気分らしい。
「いーから、DVDに集中しろバカ!」
「へーい」
そうは言ったものの、やっぱり怖いもんは怖い。
目を背けたいのを堪えながら、女々しいと思われたくなくて必死に画面を凝視した。
すると──……!
「……こっち来いよ」
不意に身体を引き寄せられて、頭を光輝の肩に乗っける格好に。
……まじかよ。
からかわれてる……のか?
「だから、怖くねぇって!」
「いーから。ナンか左側が寂しいんだよ!」
「な……!」
いつも自宅でDVD鑑賞する時にはこうやって隣に女がいたのかもしれない。
よっぽど慣れてるのか、この体勢が落ち着くらしい。
今までどんだけ家に女連れ込んできたんだ、こいつは……!
だが嫉妬心よりも、身体の火照りの方が強かった。
頭を撫でられる優しい感触にそのまま身を任せた。
光輝がたまに見せる強引で男らしい一面。不意にドギマギさせられて、心ん中を思いっきり掻き乱される。
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