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『『こんにちわ』』
そこには満遍の笑みの真理と、苦笑いの西村。
…二人の表情なんて私の視線の先には入って来なくって。
しっかりと繋いだ手。
しかも恋人繋ぎと来たもんだ…
『なっなっなんで…?』
声が裏返ったのは自分でも気付いた…
『陽菜、事後報告になったけど私達付き合ってるんだ!』
!?
やっぱりか!?
西村を睨むと視線を泳がせ気まずそうな表情。
『…まぁ、取り敢えず中に入って。
それから詳しく話を聞くからね。』
溜息が思わずこぼれた。
真理は『は-いっお邪魔します』と言って上がった。
続いて西村が上がろうとした腕を掴み…小声で
『何やってるの?』
低い声が思わず出てしまった…怒りがつい…。
『本当にごめん!』
小声で西村が申し訳なさそうに謝ってきた…。
『今は…真理の手前普通にするけど、夜電話するから覚悟してね。』
にっこりと笑ってみたけど、きっと西村には分かったはずだ。
…私がとてつもなく怒っていたことを。
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