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俺に情けなく引きずられている慎吾だが、なんだかんだで中級4体を倒してきた実力はけして弱くない。
それに慎吾のチカラは、物を九十九神とするもので、分類的には召喚系。
扱いが難しいチカラだ。
ふと、静かになった慎吾を見ると………
白目を剥いていた。
…
…
…
樹は慌てて手を離し、慎吾の頬を叩く。
「おっ、川だ。丁度泳ぎたかった所なんだよな……」
「おい。起きろ!その川は渡ったらダメなヤツだ!」
「あっ。可愛いギャルが……」
「駄目だっ!それは服を死装束に着せ替えてくる、お節介な婆さんだ!」
樹はみぞおちに一発、拳を叩き込んだ。
「うっ───」
暫く停止した後、
ガバッ
勢いよく起き上がってきた。
「はぁ、はぁ、樹っ!おんどれ、俺を殺す気かいな!」
「そんなことはないさ。アルさんの性格に誓おう。」
「ダメダメやないけ!捻くれとるやん!捻くれすぎて2回転して、もとに戻っとるわ!」
「だったらいいじゃないか。」
「いいわけあるかいっ!それに何か腹も痛い……」
……………………。
「あっ頭いてぇ。俺、部屋戻って寝るわ。じゃな。」
「あっ、あぁ。気ぃつけてな。」
「あぁ。お前もな。」
樹はひらり身を翻し、部屋に向かった。
────慎吾が馬鹿で良かった。
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